NISAは少額の個人投資家向けの非課税制度だけどNISAとつみたてNISAの2種類があり条件や期間などが違うので分かりにくいんです。
メリットだけでなく注意しないといけないこともあるので紹介して行きます。
これから投資を始めようと考えてる人にはNISAを検討してみましょう。

非課税制度はどんどん使った方が良い。
でもNISAにもデメリットはあるから気をつけてね。
NISAとは?
「ニーサ」と読む。Nippon Individual Savings Accountの略。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにして導入されたものであり、少額から投資しようと考えてる人に向けた非課税制度です。

元々税金かかるものなの?
通常は投資家が株式や投資信託などへ投資する時に、配当金や差額で得られる利益(キャピタルゲイン)に対して20.315%の税金がかかるんです。NISAを活用すると非課税になります。

使わないともったいない非課税制度ですよね。
NISAはどうしてあるの?

どうしてそんな制度があるの?
日本人の金融資産の割合を見ると海外に比べて現金の割合が大きく、株式や投資信託の割合が小さいですよね。
つまり日本人は現金で貯蓄するのが大好きで投資してる割合が少ない。
国は投資する人を増やそうとしてるんですよね。
NISAと積立NISAで注意するべきこと
1人1口座までしか作れない
NISA口座は基準額以下であっても1人1口座までしか持つことができません。
例えばSBI証券で作ったらDMM証券で作ることが出来ません。
NISAと積立NISAを併用することが出来ないです。
損益通算が出来ない
投資をしたら+になるとは限りません。
NISAで購入した金融商品から損失が出ても損益通算することが出来ません。

損益通算って何じゃ?
同じ年内にNISA口座でない証券口座で、A株は100万円の利益が出たけど、B株では100万円の損失が生まれたとします。
利益と損失を相殺することで税金が発生しません。
もしA株で源泉徴収されても確定申告することで還付される可能性があります。
しかしA株がNISA口座でない普通の課税口座で100万円の利益が出て、B株をNISA口座で100万円の損失を出してしまった場合は損益通算をすることが出来ません。
損益通算をすることが出来ないので利益100万円に対して20%の税金がかけられてむしろ税金を多く払うはめになる場合があります。
NISAの特徴
NISAのメリット
5年間NISA口座内で年間120万円まで購入した金融商品(株、投資信託)から得た利益(配当金、キャピタルゲイン)に関しては税金がかかりません。
しかし、新規に買う場合の合計なので100万円購入してから80万円分を売却しても100万円分がNISA口座で買えるようにはなりません。
80万円分売却してもNISAの残り枠は20万円しかないので注意してください。
上限を超えた場合は課税される
年間120万円までは非課税と書きましたが120万円を超えると課税口座での扱いになります。
年間120万円を超えてしまった場合、ネット証券口座会社によって対応が違います。
120万円まではNISA口座で購入が出来て120万円を超えると課税口座で購入ができるようにしてくれてる会社があります。SBI証券では120万円を超えると発注することが出来なくなってしまいます。
NISAのデメリット
手続きがとにかくややこしい
1つの証券口座だけでやってればそんなに手続きが必要になることはないが、変更しようと思ったら金融機関へ出す書類が多くて時間も限られてるのに時間がかかるからとにかく面倒くさい。
損益通算が出来ない
NISA口座内で購入した金融商品は非課税期間に売却しても良い。値上がりしてたら恩恵を受けられるのだが、値下がりしてた場合は損益通算することが出来ないので複数の口座や年間120万円を超えた時には税金面で損することになる。
非課税期間が終わった後に売却した時に損が出ても払う必要がある
- 変更前の金融機関に金融商品取引業者等変更届出書を提出
- 変更前の金融機関に勘定廃止通知書を発行してもらう
- 変更後の金融機関に非課税口座開設届出書を提出
- 変更後の金融機関に勘定廃止通知書を提出

しかも期間限定でやるしかないから、面倒すぎる。
まぁ、こんなのは根気があればできるけどヤバいのは次のことだと思う。
非課税期間終了後に損失が出ても税金を払う必要がある
よく分からないだろうから具体的な数字を挙げて説明するね。
NISA口座で120万円分の株を購入したものを5年以内に評価額が下がってる株を非課税期間が終わって移行した後に値上がりして利益を確定させた場合である。

どうなるの?
60万円まで落ちた株が移管した後に100万円分まで上がったから売却したら40万円分の利益が出て20%である8万円が税金として持っていかれる。
でも投資した本人の財布で見れば120万円で購入してたんだから100万円で売却したら20万円の損失になってるよね。
損をしたのに税金を払わないといけないというのがNISA口座で取引する最大のデメリットである。

なんでそうなったの?

NISA口座から移管する時の評価額=移管した後の口座で購入する評価額になるからなんだ。
まぁこれは、()内は配当税(20%)が引かれた後の損益
- NISA口座で120万円購入して60万円値下がり→移管後に100万円値上がり(−28万円)
- NISA口座で120万円購入して60万円値下がり→移管後に40万円値下がり(−80万円)
- NISA口座で120万円購入して140万円値上がり→移管後に160万円値上がり(+16万円)
- NISA口座で120万円購入して140万円値上がり→移管後に130万円値下がり(+10万円)
- NISA口座で120万円購入して140万円値上がり→移管後に100万円値下がり(-20万円)

税金面で損するのは5パターンのうち、1に該当する場合だね。
つみたてNISAの特徴
20年間つみたてNISAで40万円を購入した投資信託の差額の利益(キャピタルゲイン)や分配金の運用益にかかる税金が非課税になるという制度です。少額から長期・積立・分散投資をしようと思ってる若い人にオススメの制度。
分散投資のメリットについては、こちらの記事で解説してます。
しかし、新規に買う場合の合計なので30万円購入してから20万円分を売却しても20万円分がNISA口座で買えるようにはなりません。20万円分売却してもつみたてNISAの残り枠は10万円しかないので注意してください。
積立NISAで取り扱える商品は限られてる
個別に株を買うことが出来ず投資信託限定。投資信託は6000本ぐらいあるらしいがつみたてNISAの対象商品になるものは10分の1しかない。この基準は金融庁が決めてるので金融庁のサイトで確認してみよう。
>>金融庁の「つみたてNISAの対象商品」をチェックする
選べる商品は少ないけど金融庁が「分散投資、リスクが小さい、手数料が安い」ものだけOKにしてるので初心者に向いてるでしょう。
NISAとつみたてNISAの比較表
NISAとつみたてNISAの一覧表を作成したのでまとめて比較してみましょう。
制度名 | NISA | つみたてNISA |
---|---|---|
非課税期間 | 5年 | 20年 |
制度が終わる年 | 2023年 | 2037年 |
年間の運用額 | 120万円 | 40万円 |
最大の枠 | 600万円 | 800万円 |
運用できる商品 | 金融庁が指定した投資信託 | 株・投資信託・ETF・REIT |
口座開設費用 | 無料 | 無料 |
NISAオススメの口座は?
SBI証券
投資をする人にSBI証券を知らない人は居ないぐらいの最大手でありネット証券口座開設数はNo.1。つみたてNISAで選べる商品は160本と証券会社の中では最も多い。100円から始めることが可能で少額から始めることができる。
松井証券
大正7年に創業した老舗のネット証券。株主優待名人で様々なメディアに出てる桐谷さんも利用するネット証券の1つ。つみたてNISA対象の投資信託は148本という豊かなラインナップ。資産運用をサポートするロボアドバイザーを無料で使えるのも松井証券の魅力。
まとめ:運用スタイルで使い分けよう
NISAとつみたてNISAは投資で得た利益にかかる20%が非課税になる制度だから初心者は使った方がお得なのは間違いないだろう。しかし1人1口座しか持てないし併用することが出来ないし、120万円を超えたら発注ができなかったり課税口座で自動でやってくれたりと証券会社によって違うので慎重に決めよう。間違っても銀行で開設しないようにしよう。
つみたてNISAで取り扱える投資信託の商品の数は決まってるが金融庁がある程度絞ってくれてるようなものだから証券会社によって扱える数は違うがそこまで差が出ないであろう。
NISAとつみたてNISAは損益通算が出来ないということだけは覚えておこう。
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